2011年12月30日金曜日

【第5弾】三陸沿岸部視察と気仙沼・仮設住宅訪問(12月17-18日)/河野敬子さん

気仙沼、小泉の仮設住宅に訪問させていただきました。10月に続き2度目の参加です。
17日は同行の木村さん、岩さんと三陸沿岸部と周辺の道の駅視察。小泉の仮設住宅には18日に訪問しました。

12月18日 一ノ関の宿の外は一面雪景色。
 

雪が積もるかもと考え、前日に野菜のチェック&積み込みを済ましておいたのは正解でした。
雪道に慣れている北陸出身の岩さん(非常に心強かったです)の運転で7時に出発。
雪道を走ること2時間ほど、寒空の中、小泉近くの道の駅「大谷海岸」に到着。
 野菜を各戸用に袋分け作業(お野菜の傷みを抑えるため、小分けは訪問先近くで行います)。

前日お話した道の駅駅長さんと再会したのでちょっぴりお話。
昨日開催されていた「あわび祭り」はお正月準備に恒例のお祭り。
どうやらこのあたりのお正月の定番は「あわび」。今年は津波の影響で大谷海岸近くは開口しないため、開口した「歌津」(近くの町)のもので揃えたとのこと。昨日はあわびを求めて大勢が押し寄せた様子です。
この時期に購入して冷凍保存。お正月にはお刺身でいただくとのこと。あわびが冷凍できることに驚きました。

被災地中継なのか?寒い中、おばちゃんがTVか何かに取材されていました。 
寒さなんて、まだまだこれからだよ~。」と薄着の駅長。頭でわかっていても、体がついていくとは思えないとても乾燥していてキリっとした寒さでした。小さな主張「大谷海岸根性松」。


小泉の仮設住宅に到着
早速代表の方に3人で声をかけに行くと、とてもすてきな笑顔で奥様と共に歓迎してくださいました。「とりあえず、寒いから中でお茶っこして暖まってからボチボチはじめれば。」と代表。
お言葉に甘えて3人でお邪魔し、しばし歓談。白菜漬けがこの上なくおいしく、たくさんいただきました。「寒くなってきましたが、皆さんの体調はいかがですか?」私が一番気になっていたことを伺うと、みんな元気にやっているとのこと。これからも元気に過ごせることを祈るばかりです。

お茶っこしていたら、もう片方の仮設の方が代表宅にいらっしゃいました。 
どうやら代表が事前にお話してくださっていたようで、わざわざ来てくださった様子。もともとは、寒いしお年よりもいらっしゃるので1戸、1戸周る予定にしていましたが、集まってきてくださったので、今更各戸訪問というわけにもいかず、お野菜配布を仮設住宅前のスペースで行いました。ここでも皆さん薄着。でも、ちゃんと帽子はかぶっていらっしゃいました。やはり帽子は必須アイテムですね。皆さんと写真撮影後、しばし歓談。

そんなことをしていたら、お邪魔した方の仮設の方もドンドン出てきて、こちらも各戸訪問を断念。仮設住宅に住んでいらっしゃる方の中には、おうちを見られたくない方、他人を入れたくない方もいらっしゃるはずです。そう考えると結果的には良かったのかもしれません。こちらの方々とも写真撮影。寒空の下、しばし歓談(もちろん話題は集会所)後解散しました。

再び代表の方に「ゆっくりしていけ」の言葉に甘え、さっそくお邪魔して木村さん持参のポータブルプリンターで写真をプリントアウト、袋詰め作業をさせていただきました。
1枚ずつプリントアウトされる写真に歓声。写真のプレゼントはとても喜ばれました。
被災者の中には、過去の写真はおうちと共に流されてしまった方もいらっしゃいます。そんな思いも写真にはあるのかもしれません。

ちょうど代表の方の幼馴染の方が近くの仮設住宅から訪問中で、計6名の大人がコタツを囲み団欒しました。かなりプライベートなお話もあったのでここでは割愛させていただきます。
しばらくすると来客があり、お昼時間も近かったので我々も撤収。 
最後の最後まで集会所の話で持ち切りでした。訴えるようにお話する姿が、前回同様聞いていて辛かったです。
「何にももってこなくていいから、また、来てね。」とみかんやらお菓子やら持たされて、なんだか実家に帰ったようなあったかい気持ちになりました。
皆さんの関心ごとは、2ヶ月前と変わらず集会所。さまざまな努力を重ねるものの、あまり現実的なお話はまだありませんでした。問題解決に向かって団結しやすい環境にあるのも2か月前と同じ。
震災から9か月。悩みも変化してきていると思います。ここまで、生き残った皆さんで協力し合って生活してきているわけですが、時間が経つと共に辛くなることも出てきているのでは?突如、涙があふれてくることもあるのでは?と心配になります。これからどんな支援ができるのか?被災者の方々とどのようにお付き合いするのが良いのか?今後の活動の大きな課題です。

小泉を去った後、「歌津」を通ると仮設商店街オープン記念のイベントが行われていました。
 
がれきの中に突如とあらわれたピカピカの仮設商店街。晴天で空は青く、がれきの先には海が見え、なんだかシュールに感じました。「やっとここまできた」、「まだまだこれから」。いろんな思いが伝わってきて、切なくなりました
さらに南下して南三陸。少しゆっくり歩いて視察。あの時、波にのまれたその場所に立つとザワザワしました。犠牲者の冥福を祈り、手を合わせることで精一杯。帰路に向かいました。
 
今回初めて三陸沿岸をゆっくりめに視察できました。同じ思いを持った仲間と震災について、ボランティアについて、いろいろな話をしながらの時間は、今後も被災地と付き合っていく上でとても有益でした。皮肉にもこの震災がなければ、おそらく接点を持たなかった仕事も住む場所も違う人間が、被災地を一緒に周り、復興支援について熱く語る。不思議なご縁です。その土地に立つとネットやニュースで得られるものとは違うものを五感で感じることができます。もちろん様々な理由でそれができない方もいらっしゃるのは重々承知ですが、形はどうであれ、その地を踏むことで気づくこと、感じることはあると思います。小泉に出入りし始めて3か月ですが、私たちはまだここの方々がどんな生活をしていてあの時どうだったということを知りません。そのうち、もう少し関係が深まったら、一緒に彼らが住んでいた地域を周ってお話を聞ければ何か共感できるものがあるのでは?と思いました

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