2011年12月28日水曜日

【第5弾】三陸沿岸部視察と気仙沼・仮設住宅訪問(12月17-18日)/岩正人さん

12月18日に、ビタミン計画派遣部隊の活動として小泉の仮設住宅を訪問してきました。
僕自身としては、10月の女川町桐ヶ崎仮設住宅訪問に続いて2回目の活動です。
また、今回はレンタカーを借りて、津波被害を受けた沿岸部を初めて自分の運転で走り、写真も撮ってきました。
今回も、見たこと、聞いたこと、感じたことなど、書いておこうと思います。



<今回の活動について>

・12月の活動をどんな形にするかについては、費用、アクセス、これまで現地でコーディネートしてくれた方の都合、活動の内容など、そして、仮設住宅の方たちのこれまでの反応、感触、そうした諸事情を考え議論した結果、小泉1カ所に絞って訪問することになりました。(桐ヶ崎については、お野菜支援のみ実施)

・ただ、気仙沼近くまで行くのにとんぼ帰りではもったいないし体力的にもきついので、一泊することにして、もう1日は沿岸部を車で走ろうということになりました。(もう1日は肉体労働系ボランティアという案もあったのですが、最終的にこうなりました)

・僕自身がそうなのですが、ボランティアへの参加で被災地に行っても、ボランティアセンターと活動場所という点と点を行き来するだけで、意外に被災地の状況はよく分からないものです。
今までは、せっかく被災地に行くなら何かお手伝いしなくてはと感じていましたが、被災地の状況も変わってきているし、ここらで一度ゆっくり見て回るというアイデアは、とても魅力的に感じられました。(発案者の木村さんに感謝!)



<小泉仮設住宅訪問>

・一関のビジネスホテルでお野菜を受け取り、途中の「道の駅 大谷海岸」で小分けをして、小泉の仮設住宅を訪問しました。リーダーの及川さんや奥さんたちがにこやかに迎えてくれ、訪れた僕たちも嬉しくなります。

・今回は一軒一軒を訪問して、お土産の野菜を手渡ししながらお話を伺ってこよう。もし「お茶っこ」呼ばれれば話をしてこよう。お茶を何杯も飲んでお腹がちゃぷちゃぷになっても頑張ろう。そんなことを考えていたのですが、及川さんが事前に声をかけておいてくれたお陰で、すぐに奥さまたちが集まってきてしまい、結局その場でお渡しすることになってしまいました。でもまぁ、これはこれでいいか。話をしたい人ばかりではないだろうし。

・その分、及川さんと奥さん、そしてちょうどいらしてたお友達の方とは、ゆっくり「お茶っこ」しながら話すことが出来ました。
派遣部隊も3回目の訪問とあって、被災当時の話題はもう出ませんでしたが、中々進まない集会所設置のこと、役所とのやりとりのこと、仕事のこと、体調のこと、家族のこと、小泉という土地のことなど、いろんな話を伺うことが出来ました。

・仮設住宅の暮らしは、様々な不自由や問題と否応無しに向き合っています。
例えば、小泉の仮設住宅はまだ断熱工事が行われていませんし(実施は来年度だとか!この冬は我慢するしかないのか?)、面積も十分でない、上水道もまだ十分ではない(飲用にはまだ難があり、ミネラルウオーターが必要)。 それに、仕事道具や仕事場所もなくなったまま。etc. etc..

・ただ、そうした不自由や先の見えなさがある中で、何とかやっていこうとされている。こんな苦労はしたくなかったでしょうけど、しょうがない。困っている近所の人たちを放っておけない。立ち向かわざるを得ない。役所に対する延々続く交渉もやらないといけない、そんな姿を見て、少しでもお手伝いしたいと思いました。

・それと、木村さんの秘密兵器 モバイルプリンターが活躍しました!
前回や今回の写真をその場でプリントして渡すと、とても喜んで下さいました。
(芸の細かいことに、プリントした写真を入れる袋まで用意されてた!)
僕も写真好きの一人ですが、写真が人の心をあっためることが出来ることを、あらためて感じました。



<沿岸部を走って、見たこと、感じたことなど>

・今回、南三陸から気仙沼を通って陸前高田まで沿岸部を走りました。それらの大きな町も、途中の小さな集落も、津波の被害がありありと残っていることに違いはありません。かつて商店街であった場所も、住宅が並んでいた場所も、多くは更地になったり基礎だけが残っていました。



・特に南三陸の有様に胸を打たれました。両脇に建物の基礎や瓦礫が残る土地が広がる間を、道が通っています。信号は回復していません。ところどころ交互通行になっていて交通整理が行われています。これが9ヶ月経った三陸の今の姿 なのかと言葉を失いました。
 https://picasaweb.google.com/iwayang/201112171802?authuser=0&authkey=Gv1sRgCKuZ7P2u7KiVxQE&feat=directlink

・一方で、海の水や空、森はとても美しかった。三陸がとても自然に恵まれた土地であったことが感じられました。ただの田舎なのではなく、とても豊かな田舎だったんだ。
それに、お昼に食べた海鮮丼もとても美味しかった!



<今後の派遣部隊活動について思うこと>
・小泉の方たちにとって、月に一度来るだけの派遣部隊が大きな存在だとは思っていません。でも、歓迎してくれる表情を見るとまた行きたいなと思います。がっかりさせたくないと思います。自分たちが出来ることはとても小さいし、無理に大きくすることは出来ないけれど、出来ることを続けていきたいと思います。

・小泉の方たちの買い物状況は、細かくは分かりませんでした。車があれば、さほど遠くないところで買い物はできるようです。 ただ、道の駅大谷海岸がまさにそうだったのですが、品揃えは決して十分ではありません。野菜も魚もお菓子も日用品も限られた中から選ぶしかありません。この地方の正月に欠かせないアワビも限られた量しか販売されず入手出来なかった家が多いようです。
被災地に支援物資が多く届き始めているのも恐らく事実。でも、必ずしも行き渡っているわけではないし不自由さがなくなった訳ではないのも恐らく事実でしょう。本当のところは住んでみないと分からないと思いますが、今回車で走り、見かけた産直ショップ等をのぞいたことで、「満ち足りる」でも「何一つない」でもない今の状況が、何となく分かったように思います。

・こうしたことを感じて、今後も派遣部隊の活動を続けていけたらいいなと思います。僕自身が毎月行ける訳ではないけれど、ビタミン計画派遣部隊として、継続していけたらいいなと思います。


<つけくわえ>
・今回、二人の仲間と旅を共にしました。で、分かったこと。波長の合う仲間との旅は、とても素晴らしい。被災地のことや派遣部隊のこと、三陸の食べ物や酒のこと、全然関係ないこと、いろんなことを話しながら、時には車を降りて写真を撮り、産直ショップで土産を買い、夜は東北の酒を飲みました。
被災地の有様に胸を打たれるだけでなく、深刻に考え込むだけでなく、三陸の土地を見て食べて飲んで感じながら、楽しく旅することが出来たことが、とても嬉しかった。

<つけくわえ 2>
読み返してみて、少し舌足らずでした。補足させて下さい。

道の駅 大谷海岸さん
品物が限られていると書きましたし、それ自体は事実だと思います。
ただ、近隣一体が津波被害を受けていますので、海産物も農産物も調達には苦労が伴うことでしょう。
また、海岸に隣接しているため、建物は大きくダメージを負ったままで、敷地内の仮設店舗での営業ですから、売場面積も広くありません。
働いている方も、どんな被害を受けていらっしゃるかもしれません。
ですが、そんな中で、どの方も明るく元気に営業されていました。

駅長さんに(道の駅なので駅長さんらしい)ビタミン計画のことを説明し情報交換させていただいたのですが、とても有難い活動だし、本当なら是非(野菜提供について)協力したいと思うが、今の状況では量を集めることが難しい。地域の方たちへの供給責任もある、とおっしゃっていました。

そんな「道の駅 大谷海岸」さんのことも、
もちろん応援していきたいと思います!
駅長さん、もし機会があったら、一杯やりましょう!
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