2011年11月3日木曜日

【第1弾】野菜プランターの会(10月22日)の感想/岩正人さん

岩正人さん(@iwayan22)のレポートご紹介します。
野菜プランターの会のページ集合写真など沢山の画像を掲載しております。こちらもあわせてご覧下さい。

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野菜プランターの会の第1回として、女川町桐ケ崎地区の仮設住宅で設置してきました。 見たこと、聞いたこと、感じたことなどを、自分なりに書き留めておきたいと思います。


<野菜プランターの設置について>

○野菜プランターは、思いのほか仮設住宅の方々に喜んでもらえた。
おばちゃんもおじさんも嬉しそうな表情を浮かべて、のぞきこんだり、種を蒔いたり、持ち帰ったり。
もっと冷ややかな反応かもしれないと恐れていただけに、ほっとした。とても嬉しかった。

○野菜プランターは、ごく短時間で設置出来てしまった。
具体的に考えてみれば分かったようなものだけど、プランターを並べて底石や土を入れ種を蒔くだけ。とてもスピーディに終わってしまった。早過ぎて間が持たない。
むしろ、誰にお渡ししたかのチェックの方が時間がかかったかもしれない。(仮設住宅内のコミュニティ形成のために、不平等は厳禁だった)
でも、こうしたことも、やってみて初めて分かるものなのだ。

○野菜プランターには、天敵もいた?
仮設住宅には、4〜5匹(もっとかも)の猫が居着いていた。
玄関先までプランターを届けた際、おばちゃん曰く「猫がプランターにおしっこしちゃうと、枯れちゃうんだよねー。何か蓋しとかないと」
気温の低さは計画段階から心配していたが、猫とは思いもよらなかった。僕も猫好きな方だが、これは困る。次回どうなっているか正直不安だ。網か何か(猫パンチに耐えられるもの)が必要かもしれない。


<仮設住宅の方達について>

○予想以上に暖かく迎えてくれたことが、素直に嬉しかった。

○仮設住宅の敷地からは、遠くに海が見えた。帰宅後にそのエリアをGoogle Mapで見ると、津波で壊滅的な被害にあったことがはっきり分かった。かつて家があった場所を遠くに見つつ、狭い仮設住宅に住む気持ちはどんなものだろうか?

○仮設住宅の中は、やはり狭い。
あるおじいちゃんは、これまでは遠くに住んでる子供や孫が正月に来てくれたが、今度の正月は呼べないと残念そうに言っていた。たしかに、この広さで泊まりがけの客は無理だと思う。
それなら、おじいちゃんがお子さんや孫の所へ行けばいいなんて言えないよなぁ。

○仮設住宅には、少しは盆栽やプランターを飾っていた家もあったが、全般的には殺風景だった。プランターも鉢も何もない家も結構あるし、空き地は砂利が敷いてあるだけ。
いくつか盆栽を飾っている家のおばちゃんと話したら、前はもっと一杯あったけど、みんな流されてしまった。ほんと身一つで逃げてきたのよ。これは友達にもらったのよと。
これまで何度も行った岩沼市の仮設住宅は、もっと花や緑があった。
岩沼も全て流されたのは同じだが、ボランティアセンターによるプランター設置や、ボランティア有志による「お花まつり」などがこれまで行われ、それがきっかけになって続いているのだと思う。
この仮設住宅でも、今回のプランターがきっかけとなって花と緑が増えてくれるといいのだが。 (そのためには、野菜よりも花の方がいいのかな?)

○20代〜40代の、いわゆる働き盛りの世代が極端に少なかった。
その日にいなかっただけかもしれないけれど、恐らく、ほんとにいないのではないか。
地方はどこも抱えている悩みだからしょうがないが、被災地にとっては大きい問題になってくると思う。

○仮設の人達は、みんなではないけれど、結構「話したがり」だ。
話を聞いてほしいという気持ちも強いのだろう。
ただ、話してくれたことの半分近くが、なまりのために分からなかったのが残念!(ちなみに僕は北陸人)

○不在宅への伝言を頼んだ際に「あなたから言ってよ」「あたしがー?」といったやりとりがあり、やはり付き合いに濃淡があることが感じられた。まぁあたりまえのことなんだろうけど。
こうしたことは、深く関与すればするほど、気にかけないといけないのだろう。


<現地に行って支援するということ、その重みについて>

○プランター設置やアフターフォローは、メインイベントにはちときつい。
その点で、芋煮会との組み合わせは良かったと思う。
今後、ビタミン計画派遣部隊としては、どうしていくのが良いか?  まして、アフターフォローで行く場合には、プランター設置作業すらないかもしれない。頻繁に顔を出すならともかく、月1回で訪問するとなれば、ゆっくり時間をかける形が望ましいし、何らかのメインイベントが必要だろう。
○現地から帰り時間が経つにつれ、直接訪問すること、継続して訪問することの難しさを感じている。
支援物資配布ではなく、仮設住宅内のコミュニティ形成をゴールにすると、とたんに難易度も責任も負荷も重くなるのではないか。

○今回プランターを設置した先には、勿論継続的に訪問する方がいいと思う一方、そうして関与を深めていくということは、我々のスタンスを問われるということでもあると思う。
どれだけここに来れるのか、会話の中で出てきた依頼や相談に対して、どの程度応えていけるのか、 どれだけ真剣に対応していけるのか、

○今後も現地に根付いたボランティアのコーディネートのもとでやる分には、難しい問題は出ないのかもしれない。
しかし、自分達で直接、継続的な関わりを持つとなると、責任が生じると思う。
はたして、それを受け止めるだけの覚悟があるか? それだけの支援が可能か?

○また、細かな点においても、現地コーディネートの存在は、やはり大きかったのではないか。
訪問タイミング、事前告知、誰に話を通すか、どんな規模でやるか、何に気をつけるか、etc...  そうした様々なことに気をつけなくてもボランティア自体は出来るが、少しでも効果的に、そして、失礼や思わぬ悪影響のないように行っていくならば、そして継続的に行って行くならば、やはり配慮も知識も必要だろう。

○一方で、考え過ぎてもいけない。考え過ぎて動けないようじゃいけないのだと思う。
へんに消極的にならないためにも、自分達のスタンス、どこまでやるのかを決めて、自覚的に動くことが必要だろう。
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